Book Cover

インターネットビジネス実践マニュアルより
Author Notes

Internet Business Manual
by Ken McCarthy

ニューヨークに育ち、サンフランシスコでビジネスをしている私にとって、日本の人たちと接する機会はいろいろ る。彼らの創造性と勤勉さに触れながら、私はぜひ自分の体験を本にすることで、インターネットの可能性を日本の皆様に紹介したいと思っていた。そうしたときに、私の友人で、同じ目的に向かって仕事を共にしている賀川氏に出会ったことが、この夢を実現する上でとても近道になった。
何といっても、この新しい、というよりも生まれたばかりのビジネスの可能性について、一人でも多くの人に伝えていく機会を持つこと自体が、私にとってたいへんうれしく、やりがいの ることで る。

 

私は子供のころからコンピュータ・ネットワークをビジネスに活用することに興味を持ってきた。
しかし、つい最近まで、そうはいっても実際どのようにすればということになると、はっきりとした答えが思い浮かばないのが現実だった。
考えてもみてほしい。ほんの3年前までは、インターネットのことを知っている人なんてほとんどいなかったはずだ。そして、2年前ですら、インターネットの存在を知っている人はいても、ビジネスに活用するなんて、と、ほとんどの人が思っていたはずだ。
それが、ほんの1年前 たりで変化した。突如として多くの人がこの新しい媒体の進化に気づき、驚愕したので る。
今では、世界の らゆる国の らゆる企業が、インターネットを利用することを考えている。
だからといって、それではインターネットをどのように使うかということについて、正しいビジョンを持っている人はそうはいない。
そうした背景を持って、私はこの本を書こうと思い立ったのだ。

 

ここで、私の国、アメリカの歴史について振り返ってみよう。すると、アメリカでは、遠距離をまたいでどのように物を売るかということについてたいへん長い歴史が ることがわかる。
なんといっても、この大きな大陸で、町と町との距離一つをとっても大きく隔たっている。したがって、アメリカでは、そうした技術を開発することが、ビジネスを成功させる上でもっとも大切なことだったので ろう。
そうした活動の草分けとなったのが、リチャード・シアーズとモンゴメリー・ワードの2人で った。
彼らは印刷されたカタログの力を使い、出会ったこともない人々を相手にビジネスを行い、巨額の利益を上げたので る。
その後いかにして遠くを結び、ビジネスを展開するかという試みが繰り返され、今や20世紀も終わろうとしているので る。
そして、インターネットの登場が、シアーズやワードがなし得た以上の大変革を今、もたらそうとしているので る。しかも、世界的な規模を持って。

 

「2001年宇宙の旅」で有名な、イギリスのサイエンス・フィクション作家、アーサー・クラークが、数年前に面白いエッセイを発表した。その中でいわく、もし長距離電話料金がなくなれば、人類はいかにその恩恵を楽しめるかと。
確かに、そうなれば、世界中の色々な国や地域と何の制限もなく自由に通信し、コミュニケーションを楽しむことができるようになるはずだ。
インターネットはこの「夢」を実現し、さらにそれ以上の恩恵をわれわれにもたらしてくれる。
実際、インターネットのおかげで、われわれは、もはや自分たちのコミュニティや町、 るいは国家にさえも捉われることなく、自由にビジネスを展開できるようになった。
インターネットのおかげで、海を越え、世界の隅々までネットワークを広げて、はるか向こうの顧客や業者パートナー、そして友人を見つけ、そこにメッセージを送ることができるので る。

 

だからこそ私は、われわれの生きるこの2つの国に、このすばらしいチャンスを紹介し、ネットワークを作りたいと思っている。
それは、私が、アメリカと日本こそは、今や世界の科学技術をリードし、それをいかに人のために実用的に役立てていくかということに責任を持てる国だと信ずるからにほかならない。
さ 、新しい可能性に挑戦し、インターネットで新たな世界を切り開いていこう。

1995年12月8日



サンフランシスコにて

ケン・マッカーシー
イー・メディア

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